(1)局所(浸潤)麻酔
いわゆる「局所麻酔」のことで、麻酔液を注射することにより、その部分を麻痺させて痛みを感じなくする方法です。小範囲の部分を手術する時に用いられる方法で、ほとんどの美容外科手術は、この方法で行なわれます。
(2)硬膜外麻酔
背中から麻酔液を注入し、目的とする部分(バスト、お腹、太もも、お尻)だけを麻酔することが可能です。知覚神経だけに作用させることもできるため、外来での広範囲の手術にも適しています。適応となるのは、脂肪吸引や豊胸術などの体幹部(頭部以外の部分)の手術の時です。大変優れた麻酔方法なのですが、手技的に難しいところがありますので、一部の美容外科で行なわれています。
(3)静脈麻酔
腕に点滴を取らせていただき、そこから(1)鎮痛剤(手術中の不安を無くしたり、眠って頂いたりするための薬剤です)や、(2)鎮痛剤(痛みを取り除くものです)を注入する方法です。
鎮静剤は、少しウトウト眠くなってしまう程度のものや、完全に意識を無くしてしまうものなど多種類あります。
静脈麻酔は、ほとんどの場合、局所麻酔や硬膜外麻酔と併用して行います。外来の日帰り手術で静脈麻酔を行なう場合、麻酔薬の作用として切れの良い、覚めの良いものを使用します。
(4)全身麻酔
麻酔作用のあるガスを呼吸することにより、意識と痛みを取る方法です。
広範囲の手術や痛みの強いもの、口の中からの手術、また患者さまの希望により行います。
実際の方法は、まず腕に点滴を取らせていただきます。そこから静脈麻酔薬を注入し、眠っている間に、鼻か口から細い管を喉の奥に通して、そこからガスの麻酔薬を流します。手術中はガスの濃度を変化させることにより、手術操作に対応していくことができます。
手術が終わり、ガス麻酔薬を止めますと、皆さま数分間で(5分もかからないうちに)目を開き、覚醒します。その後はリカバリー室で、数時間(3〜5時間程度)お休みいただき、状態が良好であれば帰宅していただけます。一昔前は、全身麻酔をかけると、1〜2泊入院されることが当然でしたが、最近は麻酔技術の進歩や効果の良い麻酔薬(覚めが良くて副作用が少ない)が開発されているため、全身麻酔でも手術当日に帰宅可能となりました。
医療先進国であるアメリカでは現在、ほとんどの手術が日帰り全身麻酔で行なわれています。
さて、皆さまが脂肪吸引手術を受ける時には、必ず麻酔をかけますが、前述したもののうち一番適した麻酔法はどのような方法でしょうか。
一般的には、吸引する範囲が小さいもの(顔や野の腕)は局所麻酔、中程度のもの(腹部や大腿)は硬膜外麻酔、広範囲や多くの部位を吸引する場合(例えば、頬と二の腕とふくらはぎを同時に行う時)は、静脈麻酔か全身麻酔を施行します。
しかし、実際には、『ケース・バイ・ケース』で、その時の手術範囲、身体の状態、手術時間によって異なります。麻酔専門医の中には、『外科手術において大手術、小手術という言葉はあるが、大麻酔、小麻酔という言葉はない』と認識しているドクターもおります。
麻酔は、その時の手術法や患者さまの状態によって、常に適切な方法で行なって参ります。局所麻酔で予定していた手術に対して、手術中に静脈麻酔を併用したり、硬膜外麻酔で行なっていた手術に局所麻酔を追加したりすることもあり得ます。理由は、患者さまが、安全に痛みや不安を感じること無く、快適に手術をお受け頂くため、患者さまの状態を的確に判断し、臨機応変に手術時の変化に対応していく必要があるからです。
実際にリッツ美容外科で行なっている脂肪吸引の麻酔法は、以下の方法でプランニングを行なっております。
- 顔(頬 顎):局所麻酔、(または静脈麻酔を併用)
- 二の腕:局所麻酔、(または静脈麻酔を併用)
- 腹部:局所麻酔、硬膜外麻酔、(または静脈麻酔を併用)、全身麻酔
- 大腿:局所麻酔、硬膜外麻酔(または静脈麻酔を併用)
- 臀部:局所麻酔、硬膜外麻酔(または静脈麻酔を併用)
- 下腿、足首:局所麻酔、硬膜外麻酔(または静脈麻酔を併用)